赤羽(Akabane)
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砂糖で太る!は本当なのか?
食の健康に気を遣うとなると皆さんは何を気に掛けるでしょうか?カロリーや栄養などいろいろ浮かぶかと思いますが、恐らく誰の頭にも浮かんでくるであろうモノ、「砂糖」ですね。
最近では特に「糖質制限ダイエット」の急激な興りもありましたし、とにかく殊ダイエットに関して言うと“糖質”への風当たりが強い昨今であります。そんな中で、ただでさえ体に悪いと言われてきた砂糖は肩身の狭い思いでしょう。
というわけで、この記事は「砂糖って本当に他の成分より太りやすいの?」という疑問について見ていきます。
「砂糖は糖尿病のリスクを高める」が、具体的にどのくらい危ないのか?
砂糖でどこまで太るのか?を調べた大規模なメタ分析
参考になるのが、2012年にオタゴ大学の教授らが発表したメタ分析(#1)で、砂糖と他の炭水化物で太り易さを調べてくれています。
ザっと中身を覗いてみると、
- 30件のRCT研究と38件のコホート研究を精査
- 対象は大きく「大人」「子ども」に分けられた
- 砂糖の摂取量を減らす場合、逆に増やした場合の体重の変化を測定した
*「砂糖」とは砂糖入り飲料、フルーツジュース、ジャムやシロップ、ケーキなどのスィーツ、砂糖、その他砂糖全般を含む*ここでいう砂糖入り飲料の「1杯」は240ml、砂糖の量は26gに相当する
かなり大規模に調べてくれていますね。しかも観察研究とRCT(質の高い研究)の両方が十分な数調べられていて、長期と短期の効果が結構細かく分かりそう。そして気になる結果は、
- 大人では、食事からの砂糖摂取が減ると体重も減る傾向にあった(-0.80kg, 平均10週~8ヶ月, vs 砂糖を減らさなかったor増やしたグループ)
- カロリーを揃えたところ、砂糖を他の炭水化物に置き換えてみても体重の変化に差はなかった(0.04kg)
- 子どもでは、期間中に体重の優位な減少は見られなかったが、その後1年間追跡すると、砂糖入りドリンクの摂取が毎日1杯の子どもは殆んど飲まない子どもに比べて太り気味や肥満になるリスクが55%高まった
色んな箇所で注釈はありますが、まとめると砂糖だからといって格別太りやすいなんてことはない!ということ。このあたりは、カロリーの総量を揃えれば砂糖だろうが他の炭水化物だろうか変わらないんだと。
ではどうして砂糖の摂取グループで太るリスクが高まっているのか?この点は単純にカロリーの摂りすぎが原因だと考えられます。
肥満の原因がよくわかる『セットポイント理論』に学ぶ「どうして人は太るのか?」『セットポイント理論』応用編!運動をせずに痩せるために必要な4つの条件。一言で言うと、現代に肥満が多いのは脳が興奮して食欲を暴走させる食品が増えたからだ!という内容。これには「セットポイント理論」という考え方が根底にありまして、詳しくは上記をザっと見していただければよろしいかと思います。
ちなみに今回の研究ではバイアスがかかっている可能性が高い研究、結果にバラつきがある研究(つまり信頼性低め)が一定数あったんですが、これらを調整しても結果にあまり影響がなかったとのこと。つまり研究の質が影響を与えてる可能性は低い、と。
赤羽(Akabane)
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#1 Lisa Te Morenga, Simonette Mallard,Jim Mann,”Dietary sugars and body weight: systematic review and meta-analyses of randomised controlled trials and cohort studies“,BMJ 2013; 346.