赤羽(Akabane)
目次
『セットポイント理論』応用編!運動をせずに痩せるために必要な4つの条件。
前回の「脳の『セットポイント理論』に学ぶ、どうして人は太るのか?」に引き続きです。本題の前に一応前回のおさらいをしておきましょう。
- 人間は脳のシステムが正常なら自然とちょうどいい体型に落ち着くように設計されている(セットポイント理論)
- しかし現代の社会的な要因によってこのシステムが暴走しがち
- ひとたびシステムが暴走すると、食欲も暴走し、必要以上にカロリーを摂りすぎてしまう
- 結果、太る
つまり前編で挙げられている要因たちを一つずつ片付けていけば、自然と痩せていくんですね。セットポイント理論について大体わかったところで、次の応用編を見てみましょう。
肥満の原因がよくわかる『セットポイント理論』に学ぶ「どうして人は太るのか?」
セットポイント理論に基づいて運動せずに痩せる4つの方法!
では太る原因がわかったところで、次は“どうやって体を元に戻そうか”についてお話していきたいと思います。対策としてはザックリ4つ程ありまして、以下の通りです。
「高糖質×高脂肪」な食品を避ける
セットポイントを狂わす張本人なのでこれは最優先。ザっとリストを挙げると、以下のような食品はなるべく避けた方が無難です。
とは言ったものの急には難しいので、まずは1品だけ代わりになる食品にとっかえてみるのがおすすめ。
例えばフライドポテトを控えるなら、代わりにカロリーの質が高いサツマイモで代用する、みたいな具合です。他にも、おやつに食べるスナック菓子はナッツ類で代替できますね。ガラッと変えたい方はハーバード大メディカルスクールのコラムが非常に参考になるかと。
健康でいつまでも美しくいるための食事:カロリーは量ではなく”質”にこだわろうハーバード大学メディカルスクールが勧める『炎症と闘う健康的な食事』~ながら食をやめて食事に集中する時間を確保する
前回も太る原因としてあげたように、食事のマインドレス化は現代社会特有のものです。スマホを見ながら食事をしたり、頭で考え事をしながら食べたり。
一見効率が良さそうですが、こうした食事のマインドレス化は食べ過ぎに繋がります。映画館で特に空腹なわけでもないのに、ドでかい箱に入ったポップコーンが気づいたら空になっていた!みたいな現象(#2)が正にコレ。
この問題の具体的な打開策としては、コーネル大学の教授らの提唱する方法(記事最後にリンク有)を是非参考にしてみてください。
食事に集中できないあなたへ「マインドレスイーティングを防ぐ11のルール」睡眠時間はしっかり確保する
睡眠もダイエットにかなり大事です。これは2016年に発表されたメタ分析でも実証されていて、一日の睡眠時間を3.5~5.5時間位までに削られた参加者らは、平均して一日384kcalも多くカロリーを摂取していたのだとか。
これは大体菓子パン一個分余計なカロリーを摂っている計算になります。
原因として考えられるのは、人間のサーカディアンリズム(睡眠のリズム)を整えているのが脳の視床下部という部分だから。睡眠不足によってこの部位がおかしくなると、脳の報酬回路が狂って食欲が止まらなくなってしまうんですね。
【寝不足は太る】睡眠不足で一日のカロリー摂取量が”菓子パン一個分”も増えてしまうことが判明。たんぱく質の量を増やしてみる
「高糖質×高脂肪食が食欲を暴走させる!」という話はしましたが、他方で「高たんぱくな食事は空腹ホルモンのグレリンを減らして食後の満腹感を高めてくれる!」というのも有名な話。おやつはゆで卵やプロテインドリンクに置き換えるのも大アリでしょう。
あらゆる研究を調査してわかった「ダイエットに最適な朝食」の3つの条件とは?最凶の組み合わせ「高脂肪×高糖質」の食品が肥満の最大の原因かもしれない件。まとめ
では最後に今回の一挙まとめを見ていきましょう。
- 「高糖質×高脂肪」な食品を避ける
- ~ながら食をやめて食事に集中する時間を確保する
- 睡眠時間はしっかり確保する
- たんぱく質の量を増やしてみる
こんな感じでしょうか。どれも基本的なことですが、この辺りをしっかりやっていれば問題なし、です。大きな原因さえ分かってしまえば対策が分かってくるので、まずは一つずつ試してみると良さそうですね。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Berthoud HR, Münzberg H, Morrison CD,”Blaming the Brain for Obesity: Integration of Hedonic and Homeostatic Mechanisms“,Adv Physiol Educ. 2015 Dec; 39(4): 259–266.
#2 Brian Wansink,”Mindless Eating: Why We Eat More Than We Think“,Bantam Dell,2006.