【呼吸瞑想 vs. 慈悲の瞑想 vs. 感謝の気持ち】調べて分かった意外な効果の違いとは?

その他ストレス対策, 人間心理, 瞑想

瞑想やその派生に色々な種類はあるが、違いってどんなものなのか?

慈悲の瞑想 呼吸瞑想 感謝

今回は「瞑想やそれに派生したものだとメンタルやストレスへの効果はどう違うの?」という疑問についてのお話。
 
 
まず本題の前に、今回登場する瞑想のタイプについてざっとおさらいしておきます。

 

  • 呼吸瞑想..呼吸に注意を向けるタイプ
  • 慈悲の瞑想..自分や周り、生きとし生けるものの幸せを願うタイプ

 

ご覧のように、瞑想といっても全く中身が違う種類もたくさんあるんですね。各タイプの詳細は記事最後のリンクで紹介していますので、一旦先へ進みます。
 

 

呼吸瞑想vs慈悲の瞑想vs感謝の気持ち!一回のセッションで得られる効果やいかに?

ここからが本題。瞑想には色々な種類があることがわかりましたが、種類別やその派生タイプで効果は変わってくるものでしょうか?
 
 
この疑問について参考になるのが、2019年にウィスコンシン大学マディソン校が発表したRCT(#1)で、ミッドウェスタン大学の学生166名(平均19歳)を対象に行われたもの。
 
 
実験では、まず彼らを次の4グループに分けました。

 

  • 呼吸瞑想グループ..呼吸の感覚に注意を向ける瞑想
  • 慈悲の瞑想グループ..自分や周りの幸せを祈る瞑想
  • 感謝の気持ちグループ..感謝の気持ちを思い出したり感じたりする
  • アクティブコントロールグループ..家の玄関からベッドに向かうまでのイメージを思い描く、など関係がないことをする

 

そして各グループは、音声ガイドの説明を受けながら12分のセッションをこなしてもらったようです。
 
 
その後で、冷水に数分手をつけてストレス反応を調べるテスト(CPT)を実施、その前後でも不安感、ポジティブ感情などのアンケートを行って結果を比べました。
 
 
するとグループごとの反応は次のようになりました。

 

  • 感謝の気持ちグループでのみポジティブ感情が高まった
  • 慈悲の瞑想、感謝の気持ちグループで特にネガティブ感情が減少した
  • CPTに対する嫌悪感は感謝の気持ちで最も高くなった
  • 実際にCPT後のネガティブ感情も感謝の気持ちグループで最も高くなった

 

何やら結果がごちゃごちゃですが、ポイントは感謝の気持ちグループの動向です。
 
 
このグループでは実験後のポジティブ感情が上がって、ネガティブ感情も減少しているのに、その後のストレスに対して嫌悪感が半端ではなかったんですね。しかも実際にネガティブ感情も他グループより高くなっていました。
 
 
そして更に面白いことに、この実験ではその後に親切度をチェックするテストも行っていました。具体的には、「実験終了後にもう少し残って環境保護に役立つお手伝いをしてくれないか?」というもの。
 
 
でこの結果は、

 

  • 最も長時間を割いたのは慈悲の瞑想グループ
  • 次いで呼吸瞑想グループ
  • 感謝の気持ちグループは最も協力する時間が短かった

 

このようになりました。しかも慈悲の瞑想と呼吸瞑想はそれ以外と比べて2倍ちかく長い時間を割いていたとのこと。ここでも何故か感謝の気持ちグループは予想の逆をいく結果になったんですね。
 
 
ちなみに、呼吸瞑想や慈悲の瞑想で思いやりや共感が高まる!という報告は過去にもあって、2013年の研究(#2)でも、両タイプの瞑想を8週間行った場合、何もしない場合より苦しむ他人に対する共感力を高めたという結果になっていますね。
 
 
一方で感謝の気持ちが親切な結果に繋がらなかった原因は分かっておらず。この辺りは、感謝の気持ちは感情面を改善してくれる反面で、気持ちへの刺激に対して敏感にさせてしまうのかなと思ったり。
 
 
では今回のまとめに入ります。
 

ポイント
  • 感謝の気持ちは特にポジティブな感情を高めてネガティブ感情を減少させるかも
  • 逆にストレスに対して敏感になる諸刃の剣である可能性も無きにしもアラブ
  • 瞑想系は割とストレスに対して似た効果が得られた
 

この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。
 
 
ただ、今回の結果はあくまで超短期間(数十分)のものだという点もご注意を。例えば長期だと、感謝の気持ちがストレス耐性を高めてくれる可能性も示唆されていたり(#3)しますので。

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赤羽(Akabane)

今回の研究の教訓は、瞑想を「瞑想」と一緒くたにしたり、慈悲の瞑想を感謝の気持ちとごっちゃにしたり、といったアバウトな定義は誤解につながるかも…という感じ。それぞれ期間や種類で全然効果が違うので、もっと細かくみていくのが身のためだと思いました!各瞑想タイプについては以下をご覧ください。

参考文献&引用

#1 Hirshberg MJ, Goldberg SB, Schaefer SM, Flook L, Findley D, Davidson RJ. Divergent effects of brief contemplative practices in response to an acute stressor: A randomized controlled trial of brief breath awareness, loving-kindness, gratitude or an attention control practice. PLoS One. 2018 Dec 12;13(12):e0207765.

#2 Condon P, Desbordes G, Miller WB, DeSteno D. Meditation increases compassionate responses to suffering. Psychol Sci. 2013. October;24(10):2125–7.

#3 Wood AM, Maltby J, Gillett R, Linley PA, Joseph S. The role of gratitude in the development of social support, stress, and depression: Two longitudinal studies. Journal of Research in Personality. 2008;42(4):854–871.