睡眠不足は太る!では週末に寝だめをすれば解決するのか?

寝不足 寝だめ 週末

赤羽(Akabane)

今回は「週末の寝だめで睡眠負債は返済できるのか?」というお話です。

睡眠不足は太る!では週末に寝だめをすれば解決するのか?

この前「睡眠不足はダイエットの大敵!」という趣旨の話をしました。簡単に言うと、睡眠不足によって人間は一日の摂取カロリーが385kcalも増えてしまうことが分かったんですね。これは例えるなら菓子パン一個分くらいでしょうか。

睡眠不足→一日に多くカロリーを摂るように→太る!
睡眠不足 肥満 【寝不足は太る】睡眠不足で一日のカロリー摂取量が”菓子パン一個分”も増えてしまうことが判明。

「睡眠不足が問題なら寝だめすればいいんじゃない?」を調べた研究が登場

というわけで、今回は睡眠不足とカロリーにまつわるもう一歩踏み込んだお話を。

参考は2019年にコロラド大学ボルダー校が発表したRCT研究(#1)で、睡眠不足で太るなら、週末に寝だめをしたらどうなるの?という面白い疑問を調べてくれています。研究内容はザっとこんな感じでした。

  • 36名の若い男女が対象
  • 計9夜をラボの中で過ごしてもらう
  • 実験中にインスリン感受性、睡眠のステージ(徐波活動など)を測定
  • 参加者らは以下の3グループに分けられる

グループ分け

1.通常睡眠グループ..9時間睡眠(8名)
2.睡眠不足グループ..5時間睡眠(14名)
3.睡眠不足+寝だめグループ..5時間睡眠+週末は寝だめOK(14名)

要はまず9時間と5時間でザックリ比較、そこから5時間睡眠で寝だめをすればインスリン感受性が高まるのか?睡眠負債は返済できるのか?という点を調べたんですね。

そして結果を見てみると、こんな感じになりました。

結果
  • 9時間 vs 5時間睡眠でみると、5時間のほうが夕食後のカロリー摂取が増えて体重も増えた
  • 5時間睡眠 vs 5時間+週末寝だめでみると、寝だめをしたほうが夕食後の摂取カロリーは少なかった
  • しかし週末後の睡眠リズムが崩れて体重は増加した
  • 週末の寝だめは睡眠負債を返済できなかった
・5時間グループでは、全身のインスリン感受性が13%下がっていた
・5時間+寝だめグループでは、全身、肝臓、筋肉のインスリン感受性が9~27%低下していた
→“寝だめ”でむしろインスリン感受性が低下する可能性も、、

まとめると、睡眠不足によるインスリン感受性の悪化は“週末の寝だめ”では改善せず、睡眠負債も返せていなかったとのことでした。何となくそんな予感がしましたが..。とはいえ今回の研究はたった9夜の結果ですので、もっと長期的に見ても同じ結果になるのか?はまだ保証できません。

そして、やはり睡眠不足でカロリーを多めに摂ってしまうのは間違いなさそう。この結果は上で紹介した研究とも見事に一致してますね。

赤羽(Akabane)

結論、睡眠不足を寝だめで補おうとしてもインスリン抵抗性の悪化はよくならないかもです。長期の効果は不明ですが、現時点で言えることは「毎日しっかり寝ましょう」という当たり前のことでしょうか。とはいえこれなら誰でも言えることなので、もう少し具体的には以下をご参考までに。

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参考文献&引用

#1 Depner CM, Melanson EL, Eckel RH, Snell-Bergeon JK, Perreault L, Bergman BC, Higgins JA, Guerin MK, Stothard ER, Morton SJ, Wright KP Jr.,”Ad libitum Weekend Recovery Sleep Fails to Prevent Metabolic Dysregulation during a Repeating Pattern of Insufficient Sleep and Weekend Recovery Sleep“,Curr Biol,February 28, 2019.