仕事に対する興味は仕事満足度にも関係するが、パフォーマンスアップやキャリアパスとの結びつきはもっと強いらしい

仕事に対する興味は仕事満足度にも関係するが、パフォーマンスアップやキャリアパスとの結びつきはもっと強いらしい

赤羽(Akabane)

「仕事への満足感を得るにはまず仕事に興味を持つことが大事!」と聞くと思わず頷いてしまいそうですが、実際のところどうなんでしょう?

仕事に対する興味は仕事満足度にも関係するが、パフォーマンスやキャリアパスとの結びつきはもっと強いらしい

仕事に対する興味は思ったより仕事満足度との結びつきが強くなかった

2020年にヒューストン大学が発表した系統的レビュー(#1)によると、仕事に対する興味は仕事への満足度に関係してはいるが、それよりも仕事のパフォーマンスやキャリアとの結びつきの方が強い!ということが分かりました。

この研究では、105件の関連研究から39,602名分のデータを集めて、仕事に対する興味は仕事満足度とどんな関係にあるのか?をまとめてくれています。これまでの研究成果では、【強い関係がある】という報告が多数でしたが、改めてデータの数を増やして検証したらどうなるのだろうか?という趣向です。

そして分析の結果、以下のようなことが分かりました。

結果
  • 仕事に対する興味と仕事への満足度には有意な相関があったが、あまり強い結びつきはなかった
  • 細かく見ると、満足度の中の「自分のキャリア選択にどのくらい満足していますか」という項目とは強い相関があった
  • 仕事に対する興味は仕事パフォーマンスやキャリアパスの水準と有意な相関があり、こちらは強い結びつきが確認された

まとめると、確かに仕事に対して興味を持てば一部の満足度には好影響がありそうだが、仕事のパフォーマンスアップやキャリアパスなどと比べると強い結びつきはないんじゃないか?という感じです。

また満足度の種類別に見た分析結果については、仕事への興味は外面的な要因による仕事満足度とは些細な相関しか見られなかった様子。これは例えば、給料や昇進などのことでして、こうした外部的要素よりもキャリア選択や組織に対する満足度などの内部的要素との結びつきが強かったみたいですね。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、ざっと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • 一部の研究では独自の調査手法を使っており、効果が高く出ていた: イスラエルで行われたいくつかの研究では独自に開発した調査アンケートを使用しており、こうした研究では高い相関が確認されていた
  • 因果関係は特定できない: 含まれたそれぞれの研究デザインが過去の調査データから相関を導き出す手法であったため、因果関係を裏付ける結果ではない
  • 毎日の満足度の移り変わりまでは考慮できていない: 一時点で聞き取りした調査データを使っているので、時期によって変わる仕事満足度や興味までは分からない

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 仕事に対する興味と仕事への満足度には有意な相関があったが、いうほど強い結びつきはなかった
  • ただし、自分のキャリア選択に対する満足度とは強い相関がみられた
  • 仕事に対する興味は、むしろ仕事パフォーマンスやキャリアパスの水準と強い結びつきがあった

赤羽(Akabane)

「仕事にも興味を持つことが大事なのは分かったけれど、どうしても興味が湧かないときはどうすればいいのよ?」こうしたケースには、ジョブクラフティングが役に立つかもしれません。詳しくは以下の続きもご覧ください。

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参考文献&引用

#1 Kevin A. Hoff, Q. Chelsea Song, Colin J.M. Wee, Wei Ming Jonathan Phan, James Rounds, Interest fit and job satisfaction: A systematic review and meta-analysis,
Journal of Vocational Behavior, Volume 123, 2020, 103503, ISSN 0001-8791, https://doi.org/10.1016/j.jvb.2020.103503.