赤羽(Akabane)
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抗酸化ビタミンサプリの悪評
健康について考える時に何かと登場するのがサプリメント。世の中には色々な効能を謳ったサプリがごまんとありますが、それらは本当に見込んだ効果が得られるのでしょうか?
近年ではサプリの効果に疑問が持たれています。サプリだと栄養が極端でオーバードーズ(摂りすぎ)になってしまいがちだったり、単一の栄養素だけ補っても意味がない!と考えられたり。中でも抗酸化ビタミンサプリ(ビタミンACEなど)の悪評はひどいもので、ザっと挙げても
こんな報告が上がっております。つまり抗酸化系サプリはあまり効果がないばかりか、かえって体に悪い可能性が示唆されているんですね。
信頼性が高い研究では…
そんな中、信頼性の高い研究で定評があるコクラン共同計画が行ったメタ分析(#1)が抗酸化ビタミンサプリについて深く調べてくれております。一言で結果を申しますと、抗酸化ビタミンサプリは軒並み総死亡リスクを高めるという結論になったようです。ザっと中身を覗いてみると、
- 67件のランダム化比較試験(RCT)を調べた
- 総参加者は232550人(その内164439人は健康体)
- β-カロテンは25、ビタミンAは15、ビタミンCは33、ビタミンEは54、セレニウムは21の研究で使用された
*グループ分け
・プラセボグループ(効果ナシのサプリor飲まない)
このようなデザイン。とにかく規模が大きくて、質が高い研究を沢山集めているのがこの研究の強みですね。これを踏まえて結果を見てみると、
- ビタミンA、E、βカロテンサプリで総死亡リスクが4%高まった
- ビタミンCサプリでは何も効果がなかった
こちらも最初に紹介した抗酸化ビタミンの悪評と一致する結果に。4%という数字をどう捉えるかですが、今回のこの結果はとても大規模なのに加えて、デザインもよろしくて結果にばらつきもなかったことからかなり信頼できる内容かと思います。
原因としては、ビタミンAやEなんかは脂溶性ビタミンで、尿から排出されない分体内に溜まりやすいから、というように考えられています。これをサプリで過剰摂取してしまうと体に負担がかかるんですね。一方でビタミンCは水溶性ビタミンで尿から排出されるので、多少摂りすぎても体に負担は少なかったのかも。
赤羽(Akabane)
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#1 “Antioxidant supplements for prevention of mortality in healthy participants and patients with various diseases(Review)“,The Cochrane Library,Issue 3,2009.